なみかわみさきの日記

2018年ころまでの日記。

岩田さん、ありがとうございました。

岩田さんの思い出

3DSを開くと、岩田さんのスペシャMiiが、ちょこちょこと歩き回っている。いつだったか、ネット経由で遊びに来てくれたときのものだ。

それからわずか数年で。
岩田さんは、ここから、いなくなってしまった。

おつかれさまでした。
いい言葉がぜんぜんうかばなくて、それだけしか思えなかった。

実は、1回だけ、面接でお会いしたことがある。ジャックと豆の木計画という、ゲームクリエイターの募集の二次面接で。糸井重里さん、宮本茂さん、中村光一さんも同席されていたので、一対一でお話ししたというわけではなし、まだ、任天堂の社長という肩書ではなかったのだが。

その後、ネット越しや、3DSの画面越しに、岩田さんを見るようになった。
--しかしながら、映像はリアルに「いま」を切り取る。岩田さんのからだが、すこしやせて来た頃から、ほんとにからだをだいじにしてほしいなあと思っていた。

著書が無い

ご不幸のしらせをきいて、思わず、岩田さんの残したメッセージを探そうとした。もちろん最初に思いついたのは「ダイレクト」の動画や、「社長が訊く」だ。
そのほかの著書を探そうとした。けれど、無かった。
あれっ、1冊くらい何かなかったっけ? といろいろ探しても無かった。

追記(2016.10)

ご本人ではなく、知己の(でいいと思う)ご友人たちがまとめた本が、電子書籍で読めるようになった。

追記(2019.12)

みんなが待っていた思われる本が出版された。

任天堂Appleじゃないし、岩田さんはジョブズさんではない

社長が訊く」のある回で、「訊いている社長に訊く」という回がある。この記事はほんとに心を打つことがたくさん書いているので、まだ読んだことが無い人はぜひとも見ていただきたい。
そのなかで、Appleのファンであることや、あらためてApple任天堂のベクトルは違うことなどを話されている。
だからこそというか、(なぜか)ジョブズは伝記が出たりするんだけど、この時点で、岩田さんに関してはそういうものが無かったのかもしれない。

もしかしたら、何か書籍の編集のお話は、あったのかもしれないけれど。もしも今後、なにかが出るとしたら、その人や会社にはぜひとも、良い本を作っていただきたい。

But in my heart, I am a "Gamer"

On my business card, I am a corporate president. In my mind, I am a game developer. But in my heart, I am a gamer.

#2005年の映像。1分過ぎたころから登場される

あちらこちらで引用されているひとこととして、岩田さんは「私はふつうのゲーマーなんですよ*1」と言っている。(インサイドさんの記事が詳しいです)

岩田さんも、ゲームが好きな人だった。それだけで、ゲームが好きだった私や私たちは、共感をおぼえ、そして、失った悲しみも共有した。

未来は誰にもわからない

わずか数年で、据え置きゲーム機は携帯ゲーム機に人気を奪われ、さらに携帯ゲーム機でさえもスマートフォンのアプリに人気を奪われていった。30年ほど前でいえば、「ビデオゲーム」が家庭用に発売され、それまでの遊びを一変させた。
来年度、任天堂さんは新ゲーム機を出すと言っていた。これがまた、どのような未来の遊びを生み出すのか、楽しみにしておきたい。
そして私も、いつか岩田さんに「再会」したとき、「ゲーマー」の岩田さんの目をキラキラ輝かせるような、「あれからこんなにおもしろいことがありました」、と言えるようになりたい。

[PDF]代表取締役社長の逝去および異動に関するお知らせ (訃報)

おつかれさまでしたそれだけしか言えないです。/ジャックと豆の木プロジェクトで会えたことは一生忘れません。結局私はクリエイターをやめることはありませんでした。

2015/07/13 11:03



関連記事のようなもの

*1:僕が勝手にこう訳した。僕ならこの一節を、「肩書は社長だけどね、ゲーム開発者(プログラマ)だと思ってるし、まあただのゲーマーなんですよ」と意訳する