なみかわみさきの日記

2018年ころまでの日記。

grepと正規表現(regex)

はじめに

いまさらこれやってもすでに、ぼうだいな量のドキュメントがあるので、何をいまさらという感じですが。自分の復習つうか自分が喋るならどうやってたかな(昔某所で研修してた気がする)というのを思い出す感じで書いてみます。

対象としては初学者で、本稿(「未経験者にLinuxを教える」)でいうと2回目と3回目の間くらい。3回目でパイプとリダイレクトとかやるような気がするんだけど。

今回のトピック

検索と「grepする」

ググる」はもうGoogleで検索するをとびこえてYahoo!でも「ググる」っていう人がいるらしい。ウェブサイトから、何らかの質問の回答を得たいと思って、あるいは電車の時間を調べるために、ひとは検索する。

一方grep(ぐれっぷ)は、grep(1)*1には”print lines matching a pattern”とあり−−パターンマッチする「行」を「表示」する。

grepの使い方

grepの基本的な使い方は、2種類になるかと思う。

  1. ターゲットファイル内のパターンマッチ
  2. コマンド実行結果のパターンマッチ

下記は1つ目の「ターゲットファイル内のパターンマッチ」について記した。ターゲットファイルの中身は、catというコマンドで表示している。

$ cat ./file1.txt
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
$ grep hoge ./file1.txt
$

(カレントディレクトリ内にある)test1.txt の内部に、「hoge」のパターンを含む行があるかをgrepコマンドで調べ、その結果何もなかったということを示している。

$ cat ./file1.txt
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
$ grep hijk ./file1.txt
$ abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
$

hijkはfile1.txtに含まれているため、その行が表示される。(システムによってはhijkの部分に色がつくこともあるだろう。)


「コマンド実行結果のパターンマッチ」は、実務で利用頻度が上がるのではないだろうか。大量のログなどから目的のパターンにあう部分を抜き出す、といった作業でよく使っている。下記の例では、そのままRPMパッケージ数を出すと1484行出力されるが、kernelという文字を含むパッケージだけにしぼって表示している。

$ rpm -qa | wc -l
$ 1484
$ rpm -qa | grep kernel
kernel-xxxxxxxxx
kernel-xxxxxxxxx
kernel-devel-xxxxxxxxx
kernel-devel-xxxxxxxxx
kernel-headers-xxxxxxxxx
kernel-tools-xxxxxxxxx
kernel-tools-xxxxxxxxx
$
オプション有りでの使い方

grepコマンドにはオプションがある。個人的に利用頻度が高いのは、vとiとcあたり。
くさるほど実例を書いたサイトがあるので、ここでは逆引き的にメモしておく。

こうしたい時 こうする
hogeって書いてる行は不要 grep -v hoge ./targetfile.txt
hogeだけじゃなくてHogeHOGEもとりあえず探す grep -i hoge ./targetfile.txt
hogeって書いている行をカウントする grep -c hoge ./targetfile.txt
hogeって書いていない行をカウントする grep -cv hoge ./targetfile.txt

正規表現とは(ちょっとPerlの世界寄り)

※なんでPerl寄りって書いてるかというと私がPerlから正規表現にふれてたから

grepの後の文字列を、正規表現で記載することにより、さらに(柔軟に)ファイル等から文字列を探すことができる。

$ cat ./file1.txt
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
$ grep 'h.j' ./file1.txt
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
$

「h.j」は「h→何か1文字→j」を示す。よって、「h..j」では結果がないことになる。

$ cat ./file1.txt
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
$ grep 'h..j' ./file1.txt
$

正規表現を勉強するとなるとそれこそ、本にすればフクロウ本レベルになるし、ドキュメントを追うとものすごく広く深くはまっていく。はまるとおもしろい。そのへんは気に入った本やウェブサイトを見てもらうとして、文頭・文末の表現あたりは、見たことがなかったら今見ておいていいかなと思う。詳しくはregex(7)あたり。

  • 文頭→^
  • 文末→$

正規表現で^hogehogeは、「hogeからはじまるか」か、「hogeを含んでいるか」と意味が違ってくる。後者は「hogeからはじまる」も含まれることに注意。

^とか$は、「メタキャラクタ」といって正規表現で特別扱いされる。
regex(7)だと

  • ^.[$()|*+?{\

で、Perlの世界では

  • {}[]()^$.|*+?\

がそれに相当する。もし、そのものを文字として、パターンマッチをしたいときは、前に
「半角の¥」を置く。

$ cat file2.txt
abc(def)ghi
$ grep ) ./file2.txt
Too many )'s.

$ grep \) ./file2.txt
abc(def)ghi

マッチする(Perl寄り)

※なんでPerl寄りって書いてるかというと(略)

入門としては「一致する文字列を含む行を出す」くらいでいいと思う。もう一歩すすめるとしたならば、正規表現に「マッチ」しているのはどこか、ということを意識していく必要がある。


参考として、Perlのドキュメント、perlrequick*2に記載されている部分を引用する。

"Hello World" =~ /o/; # matches 'o' in 'Hello'
"That hat is red" =~ /hat/; # matches 'hat' in 'That'

1行目は「oを含む行」で取り出そうとしている。この文章では2回oが出てきて、Perlの世界では先のHelloのoにマッチする。

2行目は、そのルールでいくとThatのhatにマッチということになる。

"cats" =~ /c|ca|cat|cats/; # matches "c"
"cats" =~ /cats|cat|ca|c/; # matches "cats"

これは「cats」という文字列についてだけど、正規表現としてはcでもcaでもcatでもcatsでもマッチする。書き方としては「最初に書いたやつ」が優先されるので、1行目の場合はcでマッチして、2行目の場合はcatsでマッチして、となる。

ワイルドカード #とは

あとよく質問があるのが、「ワイルドカード」との違い。むかしは「また自分で調べておいてね」とかでぼんやりさせてしまってたけど、あらためて見直すと、もっと勉強しないとけないなと思った。のでここにはメモを置いておくので、あとはみなさんで。(結局なげるんかい)

$ ls
fil.txt  file.txt  file3.txt
$ ls | grep "file*"
fil.txt
file.txt
file3.txt
$ ls file*
file.txt  file3.txt

この例は、正規表現file*は

  • filときて
  • eが0回以上の繰り返し
  • を含むもの

なので、fil.txtも、file.txtも、file3.txtも該当するし、
ワイルドカードのfile*は

  • fileときて
  • 任意の数の(文字数の)文字に一致

だから、fil.txtは含まれず、file.txtとfile3.txtが該当することになる。


参考にしたもの