なみかわみさきの日記

2018年ころまでの日記。

電子書籍配信スタンドの利用規約を読んでみた

以前からあちこちで言われている「電子書籍はしょせん本のレンタルでしかない」的な話を思い出して、僕が主要だと思う電子書籍スタンドの利用規約を読んでみました。あくまでも個人的な解釈なんで、実際には本文を確認してください。

あ、達人出版会さん( http://tatsu-zine.com/ )のような、DRMがフレキシブルなところはあえて載せてないです。今回のポイントとしてはダウンロードしたコンテンツの扱いや、万が一本屋がつぶれたらどうなるか、というあたりなので。*1

Amazon Kindle

2013年5月22日に書かれた「AMAZON KINDLEストア利用規約」を見たところ(URLは変わるかもなんで「AMAZON KINDLEストア利用規約」で検索したほうがいいですね)、こんな感じです。

  • コンテンツはライセンスが提供されるものであり、''販売されるものではない''
    • 「販売」の一般的な意味は「所有権を対価(お金)によって移す」こと
  • 非営利での利用に限る
    • たぶん転売とかを制限するものであってライターが資料として買うとかはたぶんセーフ?
  • Amazonはどんな場合でも「Kindleコンテンツを買った金額」より超える補償はしないっぽい
    • つまり、何らかの理由でKindleストアが終了しても、99円とかで買ったコンテンツに元の価格クーポンが配られない可能性がある(そりゃそうか)

その他KindleアプリやKindle PaperWhiteなんかの公式なデバイス以外での閲覧は認められていないため、ページを写真にとって保存とかもアウト。

楽天kobo

Kobo利用規約http://rakuten.kobobooks.com/termsofuse )を見てみました。

  • コンテンツは限定的なライセンスで提供される
  • 私的かつ非営利の利用に限る。視聴(読書)のみを目的とする。
  • もしもコンテンツに不具合があっても責任をとらないかもしれない
    • 三者による改ざんは禁止されているけど、以前どこかで見た「本の文字が薄すぎて読めない」的な案件に絶対に改善してくれるとはいえない様子(このケースでは「仕様」ですって言われて直してもらえなかったらしいです)
  • なんらかがあった場合の補償は、その人が直近6か月に支払った合計を超えることはない。また、6か月間の利用が無い場合は、Koboで一番安いコンテンツの販売価格らしい
    • おそらく過去6か月以前にコンテンツを買った金額までカバーしてくれない可能性が高い

BOOK☆WALKER

利用規約http://bookwalker.jp/ex/eula/ )より。

  • 利用者はコンテンツの利用料を支払う。サービス上で「購入」や「販売」という言葉が使われているが、それは所有権の譲渡を意味しない
  • 個人的、非商業的に利用できる
  • コンテンツの翻案や翻訳はできない
    • 手に入れたコンテンツで二次創作とかできない?
  • サービスが終了する場合、何らかの不利益が生じたとしても、故意や過失によるものでないかぎり、何らの責任を負わない
    • 金額やポイント的な補償については書いていない。この時点で文面から読み取れるのは万が一サービス終了してアプリの更新も終わったら本は二度と読めない、かしら。

honto

サービス利用規約電子書籍配信サービス あたり。( http://honto.jp/agreement/detail.html#anc02

  • コンテンツの使用を許諾するものである。(使用範囲は他の配信スタンドとだいたい同じ)
  • 不具合対応は注文手続き完了後365日間まで。以後は文句を言ってもだめ
  • (おそらく短期的なものだろうけど)配信停止となった本にかんしては30日以内に手続すれば返金(ポイント)に応じる
    • これがサービス停止による配信停止と同じかは不明。サービス停止による責任は負わない。

どこも「つぶれたら終わり」感

あらためて電子書籍って、この時点では読む権利を(サービスがある限り)買っているだけなんだなあ、超長期レンタルなだけ、なんだなあと思いました。
ほとんどがつぶれたら終わりなんで、ほんとうに手元においておきたい本は、紙モノを買わないといけないですね。
また、出版社側も、本格的に電子書籍(のみ)に移行する場合は、どのスタンドで売るかなどをもう一度考えてほしいかなあと思いました。

補足、小規模ライターさんの場合

自費出版としてKDPを利用されている方は、この点をふまえて、もしもにそなえて、紙ベースでも出せるようにしておくとか、販路を持っておくといいと思います。
収入は考えてなくて、読んでもらいたいということであれば、ウェブサイトに公開しておけばいいでしょう。この場合はウェブサイトの規約を読んで、創作物の著作権が持っていかれないかどうかは確認しておきましょう。

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関連記事のようなもの

*1:ので、Kindleでも達人さんでも売ってる本とかあれば、迷いなく達人さんで買うことをおすすめします。