Kindle Paperwhite(2013)を使ってみて(レビュー)
遅くなりましたが
2014年新年あいさつエントリの中で(http://d.hatena.ne.jp/namikawamisaki/20140115/p1)、かんたんに書かせていただきましたが、あらためてレビューを残しておきます。
Kindle Paperwhite (第6世代) ―Wi-Fi
- 出版社/メーカー: Amazon
- 発売日: 2013/10/22
- メディア: エレクトロニクス
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E Inkすばらしい
Kindle Paperwhiteは、一般的なタブレットとは違い、「E Ink」という技術で文字を表示させています。詳しくははしょりますけど、目にやさしいです。いわゆる「リフロー型」という、1ページの文字数を拡大縮小によって(自由に)変えられる形式の電子書籍やPDF、テキストファイルを読むには最適です。
タブレットに慣れていない時点であれば、Paperwhiteのほうが「読みやすい」かと思います。じっくり読めるという感じがします。
ただ、E Ink端末は「リフレッシュ」といって、何ページかごとに画面をきれいにする機能があり、これが読むときに引っかかるという人もいます。また、漫画などを読んでいると、前のページの描画が残ったように見える現象もあり、これを紙のような「裏写り」としてとらえるかどうかも人によりますね。
まったくE Ink端末を手に取ったことがない人は、店頭展示のものを実際にさわってみたほうがよいでしょう。
アプリ版とどっちがいいか
Kindle Fire系はさわってないので、iOSとAndroidにインストールするKindleアプリとの比較ですが、すみません慣れてたらKindleアプリのほうが読みやすいかもしれませんです……。ページのスクロール速度なども基本的にタブレットに依存しますから、それはPaperwhiteよりほとんど速いためです。ストレスなくぱっぱっぱとページを繰りたいとか、長文メールとかウェブサイトの流し読みとかに慣れていると、アプリ版のほうがやりやすいです。
そして残念なのが、Paperwhiteから電子書籍を買う時に、意外とストレスがたまります。スクロール速度も遅いし、リフレッシュがじゃまをしたりします。私はiPodやパソコンで詳細をたしかめて、Paperwhiteからは書名検索で当てて買います。(あるいはサンプルを送っておくなど)これがアプリ版だと、検索→詳細確認→購入→即アプリで読める、となるわけです。
テキストファイルの表示
物書きのほうで書きためている文章などのテキストファイルを見るビューアとしては非常に使いやすいです。USBケーブルでパソコンと接続し、テキストファイルなどをコピーすればOKです。
PDFの表示
PDFについても同様に、数枚〜十数枚程度のものであれば、同じく見やすいと思います。なぜ数枚程度とか書いているかというと……
自炊PDFを見るにはつらい
いわゆる自炊、自分の持っている本(おそらく100ページ以上)をスキャナで読み込んでPDFに変換したやつをPaperwhiteで読みたいという需要はあるかと思います。また、雑誌のバックナンバーPDFデータを入れたいとか。私が実際に試した感想としては、雑誌1冊分のPDFデータは、重くて開かなかったり、開いてもページ移動中に落ちてしまったりします。*1
自炊PDFは、リフロー型ではないはずです。ページの画像データを読み込んだような感じでしょう。Kindleでは「固定レイアウト」と呼ばれています。「数学ガール」あたりが代表的な例です。
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2014/03/12
- メディア: Kindle版
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元の本はたいていPaperwhiteより大きな版で作られているはずですので、ひとまわり〜ふたまわり縮小したものを読むということになります。また、いちおう拡大処理はできますが、動きが遅いです。雰囲気がわかればよい、というならこれでもいいとは思いますが。
もしかしたら将来、処理速度の高い? あるいはでかいサイズのものが出るかもしれません。そうなればもうちょっとは見やすくなるかなあと思います。ただE Inkってそういう方面に向いて開発が進んでいる感じじゃなかった気がする(し、でかいのならiPadのようなタブレットを選んでしまう)。
まとめのようなもの
なんとなく2013モデルはマットな感じで手になじみやすく、小さ目の女性の手でもいちおうつかめるし、やはり軽いので縁を長時間読書で持っていてもあまり疲れないところがよいと思います。(あっ、指紋が気になる人はフィルムを貼りましょう。ただ、フィルムを貼る時はバックライトフロントライトの位置に注意してください。スマホと同じノリで貼るとちょっと失敗するかも。)
あと以前充電用のアダプターがいるかどうかって話もしたと思うのですが、他のデバイス用に持っているなら、充電時間が多少長くなるようですが、不要です。
リフロー型の小説、新書サイズくらいの漫画、あとサンプルを読んで気に入ったのなら固定レイアウトのものを、さくっと読むのにはおすすめやと思います。
あとはKindleの電子書籍はあくまでも(超)長期レンタルみたいなものである、という感覚がいいかどうかになってくるでしょう。
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*1:Software Design のバックナンバー1冊分は理論上コピーできるけど開いてもほとんど読めなかった。