「WindowsXPのサポート終了まであと1年」で絵本出版経験者兼ネットワークエンジニアが思うこと
はじめに
誰も読まないだろうけど、Twitterでつぶやくにも限界があるんで。私のスペックはこのへん( d:id:namikawamisaki:20060605 )とか参考にしていただくか、「2001年から小さいIT企業でいわゆるインフラエンジニアっぽい仕事をしている、2006年に1冊絵本を出版した(文章を担当)」程度で。(あ、2010年から某所に常駐管理に入ってて、教育はやってません。)
僕の見解
上記のはてブへのコメントはこんな感じでまとめた。(100文字までなんではしょった)
いろいろ思うところがある/特需とかいうSIerのおっさんらはもういっぺんライフサイクルとかサポートについて顧客に説明してたかかえりみてきてください/OSS化はしないだろうなあ
あとTwitterではこんな感じに書いた。
OSって何? を考え直すいい機会
今回の話題は、パソコン(のOS)って何? ライセンスって何? を考え直すいい機会だと思う。また、ハードウェアとソフトウェアの違いや、ソフトウェア開発ライフサイクルとその他のインフラの違いについて考えるいい機会とも思う。
OSは基本ソフトとだいたいの新聞が書いているし、その違いはすでにスマートフォンなどで体感していると思う。
ASUS Nexus 7 (2012) TABLET / ブラウン ( Android / 7inch / NVIDIA Tegra3 / 1G / 32G / BT3 ) NEXUS7-32G
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ハードウェアはさわれるもの、ソフトウェアはさわれないもの、とは僕の会社の先輩や、カーニハン先生の著書でも書いている。
- 作者: Brian W. Kernighan,久野靖
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ソフトウェアにもハードウェアのように耐用年数をある程度定めておかないといろいろ困る。そりゃ開発側も定期的に新しい製品を出していかないともうからないというよこしまな考えもあるけど、いつまでもOSが動作するハードウェアが生産されているかはわからないし、技術とくにCPUといったコンピュータの頭脳にあたる部分はものすごい速さで進化しているから、それにあわせたものを作っていかないとならない。また、インターネットに接続してどうこうするということはネットを介したウイルス対策(セキュリティ)にも気を付けなければならないが、このセキュリティ対策もいたちごっこが永遠に続いている。
NHKのニュースなどでも「(古いOSは)つぎはぎでセキュリティ対策を施している状態」と言っていた(はず)。あまりたとえたくないけど、車でいうと毎年車検状態といったところか。
あと地デジ化にたとえる人もいたけど、どちらかといえば地デジはインフラのほうで、「アナログ停波でテレビがそのままでは使えなくなる」のと、「テレビはそのままうつるけど、電波を通してウイルスが入り込んでくる」状況で違うといえる。WindowsXPは別に来年のサポート切れになっても起動しないわけではない*3。ただ、「セキュリティ対策が根本的にできなくなる」ということである。
これも初心者向けのサイトや雑誌に書いていたと思うのだが、
- 絶対にネットにつながない
- 外部ネットワークにつながることができる家庭内無線LANに乗せるのもダメ
- 外部から持ち込んだUSBメモリを使わない
- ウイルスが入っている可能性のあるDVDやCDなどを再生しない
が徹底できるのであれば、使っててもかまわないと思う。WindowsXPのライセンス自体はあなたのもの(のはず)だからだ。
じゃあ、どうするか
個人の場合
個人で使っている場合は、
- 新しいPCに買い換える
- 古いPCは絶対にネットにつながないでデータ移行・アプリ移行後捨てる
- いまのPCがダウングレード権でXPならばもとに戻す
でほぼ解決する。
新しいPCのかわりに今なら「タブレット」でもいいかもしれない。(MS Office 2003もサポート切れるので)完全オフラインワープロとして古いPCとプリンタを使う、という手とか。
ダウングレード権のときは、とりあえずデータを全部バックアップして、Vistaか7にリカバリーすればいい。難点といえば元の環境がなくなることかな。
企業・学校・ドメイン環境などの場合
(ここに「なれる!SE」のリンクでもはろうかなーと思ったけど、読んだことがないのでやめた)
仕事な話に近くなってくるんであんまり詳しく書けないけど、企業さんなどの場合は、PC導入業者と早めに打ち合わせていくしかない。保守をお願いしている業者さんは、おそらく少し前からWindowsXPのサポート期限について説明をしているはず*4。企業さんの予算とやりたいことを伝えて、いい方向に持っていくしかない。
NHKのインタビューに答えていた方は「ネットにつながないで使うしかない」という選択をするかも、としていたが、それもありだと思う。(はてブコメにあったけど窓XPを使い続けるのもなんだか、っていうのはあるけど)業務用のソフトウェアが窓XPでしか動かないのならそういうのもいたしかたない。
問題はそういう業者さんがおられない(小さな)会社の場合。この時だけどこかにお願いするときは、ほんとあやしい業者に引っかからないようにしてほしい。Twitterでつぶやいたけど、無償だからLinux!とか安直にすすめてくるのにしたがっても、いいことはぜんぜんない。あと値段が高いっていう話もよく聞くけど、相見積をとれば相場はつかめると思う。きついことをいえば「えーこんなに高いの?」と初めて気づく方もいらっしゃるかもしれないけれど、ITインフラを適正に管理するには実はそれなりにコストがかかるのである。ヘルプデスクを仕事の片手間の延長にやるだけじゃなくって、OSやOfficeソフトのライセンス管理、クライアント・機材のリースや資材管理、ネットワーク負荷監視とかにもコストがかかるのだ。
宣伝くさいけどmixiやFBでいう「友達の友達」の距離感くらいの方であれば、何かサポートできることがあるかもしれないので、つっついてみてください。(本当にどこにも相談できない、ってときは本気で業者を紹介しますけど……)
Ubuntu に乗り換えられる?
普段のPCの利用用途がネットくらいならば(MS Office が無いと困るとかでないなら)、Ubuntuという選択肢は大いにありうる。でも、Ubuntuも最新版はそれなりにマシンスペックが必要で、僕が以前使っていた2001年に買った(組み立てた)PCでは最新版のUbuntuはインストールできなかった。情報はUbuntu Magazine で仕入れられる(し、1つ前のバックナンバーは公開される)ので、たとえばVistaあたりが動いているマシンなんかで試されるといいのではないだろうか。
Ubuntu Magazine Japan (ウブントゥマガジンジャパン) Vol.10 2013年 01月号 [雑誌]
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Windows7のXP ModeとWindows8のHyper-Vについて
動かしたいアプリやゲームが買い換えるPCのOSに対応していればいいのだけど、ダメな場合は、XPを新環境の中で動かすという技術がある。
- Windows7→XP Modeを試す
- ただしまっとうな手段ではWin7 proとかUltimate でないとだめ
- Home系の人はAnytimeUpgradeになるかな
- Windows8→さらにちょっとめんどう
これらは原則として独立したXPのライセンスが必要なので、前のコンピュータにプリインストールされているWindowsXPのライセンスを使いまわすということができない。
以上
以上、だらだらとつぶやいてみた。こういうとき、ブログがあるとすっきりするなあ。