「Web翻訳の結果をオープンソースソフトウェア(OSS)の翻訳に突っ込んではいけませんという話」にからんで。
前置きのような何か
いいタイトルが思いつかなかった。「FLOSS翻訳に関して、翻訳サイトの結果をそのまま利用するといいことなんてない」とか書いてもよかったんだけど。
僕は鍵アカでTwitterやってるので(粘着を避けるため)、別に表に書いてもいいネタを出しておく。それにいたる経緯というのはいくやさんのブログで書いてあるのでご参考にしてください。(そのタイトルが、「Web翻訳の結果をオープンソースソフトウェア(OSS)の翻訳に突っ込んではいけませんという話」です)
僕も毎日うぶんつのあのMLを追っていないので、あとからアーカイブを見た次第。
https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-translators/2017-February/thread.html
えっと英語でびびるかもしれませんが。ゆっくり読めばなんとかなります。
ツイッターまとめ
たぶんこれが私の知った発端かな。
@tSU_RooT 辞書や参考書はOKです。他のソフトウェアの定訳を確認するのもOKです。マズイのは、「生成された成果物は貴様のものではない」と書いてある系翻訳ツールです。たいていの、プロ向けでない翻訳ツールがこれに該当します。プロ向けであっても該当することがあります。
— hito (@_hito_) 2017年2月22日
- うぶんつくらすたをたすけたいけどちからもなくひんけつでしんでる
現時点でのまとめ:件の人物によってsubmitされたすべての翻訳は、各ソフトウェアのポリシーにも依存しますが、件の人物の翻訳がライセンス上問題のある機械翻訳に依拠していた場合はrevertが必要な(とても高い)可能性があります。影響範囲はおそらくUbuntuには閉じない。
— hito (@_hito_) 2017年2月22日
revert=元に戻す。git用語だと「git revert
- これはちまとかぎがじんとかネタにしたらこわいな、、
- わたしになにができるだろう
自分にはまったく力が無いけど、なにかできないか。
その後、さらに悪い兆候が。
@kmuto @ikunya Ubuntuには一応それがあるんですよ……「投入した翻訳は2-clause BSDになるから問題ないものを突っ込みます」っていうチェックボックス出てるはず……。なのに越えられてしまったという事案でして。とてもつらい。
— hito (@_hito_) 2017年2月22日
Web翻訳の結果をオープンソースソフトウェア(OSS)の翻訳に突っ込んではいけませんという話 https://t.co/ffyzbFs2Nj
— いくや (AWASHIRO Ikuya) (@ikunya) 2017年2月22日
いくやさんのブログはこのあとホッテントリ入りした。
まだまだ知らない人が多いけど、翻訳サービスで生成された文章は、商用利用できないことが多い。また、お金ではなくライセンスを重んじるオープソースソフトウェアの世界でも、それは厳密に扱われる。
— Misaki World (@MisakiWorld) 2017年2月22日
— kazken3🤷 (@kazken3) 2017年2月22日
- 休憩。くだんのひとのツイートを読んでしまいめいった。
ブコメ経由で見てしまった。見なきゃよかったわ……
- 日本語版とうたっていて未翻訳があれば、そりゃいやでしょうよ。でもな、間違った手段で闇に染まった翻訳してまでやらないと、誰か死ぬの?
で、思い出して読み返したのが #producingoss 。
「オープンソースソフトウェアの育て方」。これを256回読み直す。「扱いにくい人たち」の項目はどの世界でも参考になると思う。 / “オープンソースソフトウェアのつくりかた” https://t.co/s4EyHYFPAb
— Misaki World (@MisakiWorld) 2017年2月23日
一部英語の部分があるのは、日本語がひととおりそろったあとの改訂追記があったため。
- 「みなさんがマニュアルを読んでいる時に、ああここ間違ってるね、と自分だけで思うだけじゃなくて、それを「外へ」発信してほしいのです。それだけでいいんです。そんなに「すごい」ことをしなくとも。」
↓の参考にも出してるけど、その「オープンソースソフトウェアの育て方」(ISBN:4873114128 は紙として考えると多少情報が古いが)を日本語訳したひとり、高木さんの講演からの引用。
あなたができることはたくさんある
ブコメでも書き足したけど、この件、翻訳が前に来てるからか、「英語できないから見守るしかできない」的な意見があったりした。えっとね。
私ほんと英語できませんよ。謙遜(けんそん)してるって言われたけど、まじ中学2年くらいで英語勉強するのあきらめちゃって、今もうれつに後悔してます。
今どうやってるかというと、とりあえず英語ニュースアカウントをフォローして流し見したり、マイクロソフトのKBとかは原文も見て、電子辞書、ネット辞書見て、もちろんGoogle翻訳も使うことはあるけれども、仕事でやりとりする文書にそのまんまコピペして使ったことはないです。
おれの話はまあおいといて。つまり、英語ができるかどうかってあんまり重要じゃないです。ほかの先輩のトランスレータさんたちが何回も指摘していますが、「難しかったら訳す必要は無」くて、そこを無理して日本語にしちゃって違う意味にするほうが問題なんですね。その「無理した日本語」かどうかってのは、これは日本語を母語にしている人なら誰でもできるのです。
日本語であることを、お金を取るファクタとして開発されたものであれば、それなりの質は担保されてなければならないんだろうけど。
くしくも、このできごとで、OSSとかOSS翻訳への関心が高まっているような気もするので、あるいみチャンスとして、自分ができることがないか考えたいかなと思います。
うーん、とはいえ、来週の末にはニンテンドースイッチが来ると思う平日昼間の年度末業務がどうなるかだよね……。
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参考記事のようなもの
- IT系記事を書く時の手順(2015.12.18),http://d.hatena.ne.jp/namikawamisaki/20151208/p2
- PHPカンファレンス関西・基調講演(ざっくり抄録)(2011.4.24),d:id:namikawamisaki:20110424
- LibreOfficeふりかえり2016(2016.12.13),d:id:namikawamisaki:20161213
- いい仕事をしよう。−オンラインと「しごと」について(2016.12.12),d:id:namikawamisaki:20161212